ロクちゃんはすごくやせてしまった。
丸々していた尻尾は肉が落ちてしわだらけになって足も肉がこそげたようになっている。しっかり体を支えられないのでいつも腹をつけたままぐったりしている。
強制給餌すると歯ぐきが血だらけになる。もう消化する力が無い様で便はいつも下痢状だ。
トイレのときはいつも温室の下まで降りていたのに今は動けないので上から垂れ流しだ。
ナナちゃんが死んだときは年の瀬だった。
これから寒くなるからいくら温度管理をしっかりしていてもやっぱりイグアナにはつらい季節だ。
ロクちゃんも多分もう長くないんだろう。
犬を飼ったから、世話が偏ってはいけないと自分をいつも戒めていたけど、やっぱり愛情は犬に傾けがちだった。世話は必要なだけしたけどロクちゃんを存分可愛がっていたかといわれると否定するしかない。
毎日、「ごめんな、ごめんな」と声を掛けるけどロクちゃんは物憂そうにしているだけだ。