踏み切りでお年寄りを助けて亡くなった女性に関しての違和感。
まずtwitterで、「この世にまだこんな立派な人がいたのかと思った」というようなことをつぶやいていたヤツ。
オマエはこの世の一員ではないのか?
何もこの女性を天然記念物のように扱わなくても、オマエが今すぐに人に対して親切にすればいい。何も命を投げ出さなくても、困っている人はいくらでもいるしできることはたくさんあるだろう。人に期待する前に自分が「人にやさしい、生きやすい社会」を作ればいい。
「日本人の本領を発揮」なんてつぶやいてるヤツもいたぞ。オマエはネトウヨか?ザイトクカイか?
その少し前に、中国人の留学生が、川でおぼれている子どもを助けたのはオマエの曇った目やふさがれた耳には届かなかったのか?
私は、この女性のしたことは間違っていると思う。
生き物はみんな自分の命を守ることを第一義的に生きている。だから、他の命を救助するという尊い目的であったとしても、自分の命を投げ出してはいけない。絶対ということは何においてもないだろうが、ほぼ確実に自分の命が安全でない限りは他を救助するべきではない。
この女性が、目的のために自分の命をおろそかにしてしまったこと、それが生みの父の眼前で行われてしまったこと、本当に残念だ。
そして、それが、「人のためにわが身の犠牲もいとわない美しい国の美しい国民の心ばえ」のように喧伝されるともう本当に気持ち悪い。
どこか遠い国に「集団的自衛権の行使」のために派遣されることを、それを見送り、日々銃後を守ってつつましく生きることを、美しい心ばえだと68年の月日を経てまたしても強要されていくのじゃないか。
本当に、この国の国民の忍従の甚だしさったら。とことんまで絞りつくされても気がつかないんだから。