3月彼岸ごろから、犬の散歩コースにうっとおしい虫が現れるようになった。
眼の周りをぶんぶん飛ぶ虫である。
私は「メマトイ」という名前は知っていたが、この虫がどういう虫かはよく知らなかった。
3月31日、集会所の前で桜の写真を撮ろうと思ってうろうろしてたらこの虫が飛んできて、うっとおしいと追い払ったら、私がシャッターを切っている間に犬の左目に止まっていた。気がついて追い払ったがたぶんその時間5秒くらいか。もうちょっとか。
もしかして、犬の眼に卵でも産んだのとちゃうかと思い、あわてて犬の眼の涙を紙でぬぐって、家に帰ってからも水で眼の中を洗った。
で、この虫の正体を調べてみた。
正確にはヒゲブトコバエというらしい。ちょっと前まではクロメマトイというように呼んだようだ。
メマトイといわれる虫はいくつかいるらしいが、よく知られるのはヒゲブトコバエとマダラメマトイの2種らしい。
メマトイの仲間の成虫は哺乳類の眼脂(目やに)や涙をエサにするので、人の顔にまとわりついてくるのだそうで、別に人の目やにじゃなくてもかまわないので、犬やら他の動物やらの眼にも寄ってくる。そこで問題なのは、このメマトイの体の中には、蚊の体の中にフィラリアの子どもがいるのと同じように、「東洋眼虫」という線虫の子どもがいて、目やにや涙をなめた時にその哺乳類に置き土産するのだそうだ。いらんわそんな土産。
で、3~5週間するとその東洋眼虫の子どもが成虫になる。で、眼の中をぞろぞろと這い回るらしい。(おぞぞ)
西日本ではこの東洋眼虫の寄生で動物病院にかかる犬がそこそこいるようだ。
マダラメマトイが東洋眼虫の中間宿主であるのは確かなようなのだけれど、ヒゲブトコバエについては「メマトイ」とひっくるめて書いてあるページばかりで、ネットで調べた限りではヒゲブトコバエも東洋眼虫をうつすのかはよくわからない。
そろそろ3週間目も近づいてくるし、日曜日には犬の眼科に行くので先生にお伺いを立ててみよう。
で、ほとんど毎日、午後の散歩時にはまといつかれているんだけれども、今日はどうにかヤツを退治できないかと思って犬の散歩そっちのけで手を振り回したり叩いてみたりしたけどダメ。傍から見たら、あれは何やってるんだおかしいのかあのオバサンはと思われただろう。
仕留めることができずとぼとぼ帰ってきて家の玄関の前に来て止まった時、ブーンと羽音。
家まで着いてきてしまったらしい。で、バチン!
・・・仕留めましたがな。
これまで、メマトイが飛んでくることなんかなかったのにどうしたのかなと思っていたら、なんでも、「オオワラジカイガラムシ」とかいう虫をこのヒゲブトコバエの幼虫が食うらしい。だからオオワラジカイガラムシが増えるとヒゲブトコバエも増える。このカイガラムシがつくのがナラやカシの類らしいのでこのあたりの里山にはいっぱいあるし、なんかの加減でカイガラムシが繁殖してしまったのだろうなぁ。
来年はいなくなってくれるといいんだけど。