冷蔵庫が空になってきたので朝からバイクで買い物に行ったけど、風が強くて少し怖かった。
帰宅して昼前から「アノニマス・コール」を読み始めたのだけれど頭に入らなくて少しだけ寝て、起きていつもの家事をしてからまた読んだら面白くなってきたので最後まで読んだ。
でも、最後にはなんか「みんないいひと」みたいになっちゃって、そりゃないだろうと思った。
小林よしのりが、自分がネトウヨの生みの親だと言われたくなくて、集団的自衛権行使や安保法案について批判的なこと言ってて信じられない気がしたが、その後、慰安婦は必要だなんて言ってたので、よしりんクオリティぶれてないじゃんと思った。
戦争に行って、そこに「性のはけ口」があるとしても、兵士は強姦をやめない。ふつうの息子であり、ふつうの夫であり、ふつうの父親である男が、戦争に行って人を殺せるようになるのは、ふだんの市民としての生活では使わないチカラを使うためのスイッチを押されてしまうからだ。その攻撃性や暴力性のスイッチは必ず、性衝動のスイッチと連動しているのだ。相手を倒し、相手を押さえつけ、相手を蹂躙する衝動は、はけ口があっても解消することはできない。「規律にしたがった戦闘」なんて絵空事だ。どこのどんな戦争でも女はいつも強姦されるものだ。それが2歳や3歳の幼女でも、83歳の老婆でも、女なら犯されるのだ。戦争をしないことでしか、戦火の下の強姦を防ぐ手立てはない。
女の私でもそれがわかるのに、どうして男がそれをわからないのだ。わからないふりをしているだけなのか。
小説の中のいいひとも、兵士たちも、自分で考えない、流れに逆らわない状況に置かれれば、やることは一緒だ。個人としてはいいひとでも、生み出すのは悪だ。ハンナ・アーレントが言ったとおりに。