夢かもしれない

投稿者: | 2017年8月29日

最初に、予告なしにミサイル発射を強行した北朝鮮の暴挙を断じて許容しない、ということを明らかにしておいて。

それでも日本政府の対応に大いに疑義を持たざるを得ない。
国民保護情報という、情報と呼ぶのには極めてお粗末なものをだらだらと垂れ流す意味はどこにあるのか。
ミサイルが、着弾するのか上空を通り過ぎるのかも明らかにしない、警戒を呼び掛ける範囲のあまりに精度の低い広さ、その上首都圏だけ巧妙に外されている。
ただただ不安と恐れ、敵対心をあおるだけで、国民の安全を期したものとは到底思えない。
 
そもそも、上空550㎞(スペースシャトルよりも高高度)を飛び、日本の領海どころか排他的経済水域よりはるか外に着弾したミサイルに何の脅威があるというのか。なぜそのために鉄道の運行をやめたりするのか。
それがもし脅威だとしたら、なぜ原発は止めないのか。
やっていることがちぐはぐすぎる。

不安をあおられて案の定、ネトウヨだけでなく、ごく普通の人たちが「ミサイル撃ち落とせ」だの「金正恩など暗殺されればいいのに」だの「北朝鮮をやっつけろ」だのSNSで発言している。
 
これが日本に着弾したものなら、はじめから日本を狙ったものであるのなら、そういう心情も理解できるし、「専守防衛」もありうるだろう。だがわかっているのだろうか?もし、このミサイルがアメリカを狙っていたり、あるいは実験であっても、それを打ち落とすようなことをしてしまったら、日本ははっきりと、北朝鮮に敵対する国となって軍事攻撃の対象となるのだ。
なんで、自分が狙われているわけでもないのに、わざわざ憎まれて戦争に引きずり込まれて何になる。
 
政府の目的はこの「外患」によって支持率をあげたいということだ。戦争法を通し、共謀罪を通し、憲法改悪に執念を燃やし、自分のお友達と仲良く私腹を肥やし、そのために、立憲国家が人々の血と汗と努力で累々と築き上げてきた法と秩序による手続きを何から何まで踏みつけにしているこの政府が、この国に暮らす様々な人たちを分断させ、幸福な暮らしを維持するシンプルな道のりを踏み誤らせ、ますます自分たちの思い通りの政治を続けようとすることだ。
こんなに簡単に目に見えていることなのに、どうしてわからないんだろう。どうしてやすやす引っかかるんだろう。

キヨシローは「きみ一人じゃない」と言ったけど、この夢を見てるのは私一人なんじゃないかとこの頃思える。
戦争も貧困も差別も偏見もない世の中にいつかなること。