昨日、まだ風がさほど強くなかった午前中、近所をテリトリーにしているイソヒヨドリがやたらさえずっていた。
今年の春からどこかで営巣していたみたいで、我が家のブルーベリーが色づき始めたころ、毎日のように親子で食べに来ていた。イソヒヨドリは昆虫を食べると思っていたのに雑食と初めて知った。
今年はブルーベリーはいっぱい生ったので、人間もそれなりに食べたいと思いネットをはったのだけれど、テキトーにはっていたので隙間から鳥が入り込んで食べていた。ある時など居間の窓からブルーベリーが暴れているように見えたので慌てて見に行ったところ、ネットの中にこどものイソヒヨドリが入り込んで抜けられないでじたばたしていた。
そっと左手で体を包んで、右手で四苦八苦して足に絡んだネットを外している間、鳥はもがいて、まだ端の黄色いクチバシで私をつついてきた。その軽さ、温み。無事に救けてぎこちなく飛び去るのを見た後で家に入り、こみあげてきて泣いてしまった。也々をなくしてから私はこんなに柔くてあたたかいものにかつえていたのだ、と。
ネットのはりかたを改めて、2本あるブルーベリーの内の1本を鳥さん用に、もう1本を人間用にして、人間用の方は鳥が入り込めないように丁寧にネット掛けしてみた。平和的な解決方法となった。しばらく鳥さんはレストランにしてくれていた。
親鳥と、何羽かの成長した子供たちと、そのあとずっと我が家の周りで暮らしているようで、朝はあのきれいな声でさえずる。窓から挨拶しようとすると逃げてしまうのだけれど、彼らが元気で暮らしていることにあたたかいものをもらっていた。
「もうすぐ怖い台風がくるよ。どこか大丈夫なところでかくれていて。」と声を聞きながら念じていたけど届くわけもない。
台風は去ったのに、イソヒヨドリたちは帰ってこない。twitterで大きなアオサギが容赦なく飛ばされている動画など見てしまって気が気じゃない。どこにいてもいい、どうか無事であってほしい。