この孤独

投稿者: | 2022年9月23日

時間が取れるようになったら、お山に行きたいとずっとずっと恋焦がれていたのだけれど、生憎とお天気が悪い。

今日は休みの夫に野菜を買いにつれて行ってもらって、そのまま帰宅して、録画しておいた「あなたのブツが、ここに」を見ていた。15分ドラマだから飛ばし見するつもりで録画を始めて、初めの頃は見たら録画を消してたんだけれども、これは保存しておいたらよかった。コロナパンデミックを現実のままに描いたドラマはこれが初めてだったんじゃないだろうか。作中でマスクをしているシーンがあるドラマは「MIU404」とか「俺の家の話」とか「天国と地獄」とかあったけれども(「未来への10カウント」では主人公の焼き鳥屋がコロナで廃業を余儀なくされたという設定だったが、ドラマはコロナ後を描いていた)。

「あなブツ」の今週の物語はシビアで、去年の夏のオリンピックと同時に持ちあがったサージで主人公が勤めている宅配会社の社長がコロナに感染し、主人公の先輩ではあるが若輩のドライバーが事故を起こしてその責任で夢を諦め辞表を出し、ただでさえ巣ごもり需要中元時期で荷物の多い時期にドライバーはさらに多忙になる。主人公は疲労とドライバーとしての責任の過重でタイトになり、配送中の車のパンクにパニック状態になってしまう。
その切迫感に、去年の同じ頃の我が身のことがフラッシュバックして、パニックがうつってしまった。
父の病気が判明し、医大に通院しなければならないのに、夫の職場の隣の席の人が濃厚接触者になり、私は感染を避けて実家に行って、父をタクシーで医大に連れて行かなければならなくなった。
弟に車を出してもらうように頼んだけれど、同居している弟の妻の母が認知症でデイサービスに通っており、家族に濃厚接触者がいると利用できないようになるというので頼めず、逆算しても私が感染している可能性はほぼないと考えながら、もし父に感染させてしまったらと思うと気が気でなく、実際に医大に父を連れて行ったら輸血が必要ということになり、初めての輸血だったので準備に手間取って帰宅できたのは夜8時を回ってしまった・・・
あの、何もかも自分で負わなければならず、どんなトラブルも引き受けなければならない責任の重さと孤独感がまざまざと思いだされて、わあわあ泣いてしまった。
ドラマでは、多忙な同僚ドライバーたちが皆で駆けつけてパンク修理や交通整理をしてくれて、主人公をなだめてくれる。私には本当に誰もいなかった。

ああ、本当に辛かったな。あんなに辛い思いをして父の闘病に寄り添ってきたのに父は死んでしまったな。

それでも、知っている。母が死んで3年、父の闘病を見守ってきて1年のこの苦しさはきっと徒労ではないのだ。
犬を見送った時の様に、母を看取った時の様に、いつかこの経験が私を支える。そんなときがくる。

だから今のこの、自分でもとらえきれないような心の重苦しさもやり過ごしていかないといけないのだ。いや、そうできるのだ。


明日、また頑張っていこう。