ロスない

投稿者: | 2023年10月2日

牧野富太郎が集めた未整理の植物標本が50万点とかあって、それは没後に東京都立大学に引き取られて整理が行われたのだそうだが、完了したのが何と一昨年なのだそうだ。
「らんまん」ではアルバイトの女性(宮崎〈﨑〉あおい)が機智を発揮して粛々と進めるような描写だったけれど、到底そんなアルバイト仕事でできる物量ではなかったということだ。
今日、「牧野富太郎自叙伝」を読み終わったのだけれど、娘の鶴代さんの短文も載っていて、それを読む限りでは才能は全く違うけれども、我が家にも似たようなのがいる。これは絶対独り暮らしさせたらアカンヤツ。同じ植物の標本をたくさん集めることをドラマでは好意的に解釈していたけれども、これ、ウチに住んでる人が同じ本を「これは予備、これは予備の予備・・・」などと言って7冊も買ってくるのと全く同じだ。
夫(!)の場合は我が家の書庫がひっ迫するだけだが、牧野富太郎の標本の場合はそうした重複した標本が海外の植物の標本とトレードされて日本の植物学の資料が豊かになって無意味ではなくむしろ有益だったのだそう。

「スエコザサ」について家の本とかネットで調べたのだけれど、何となくはっきりしない。学名も、ドラマの中で言われていた学名と現在のものは異なっている。というか、現在では一人前の種としてはみなされていなくて、アズマザサの変種ということになっている。そもそもこのアズマザサの仲間は雑種起源らしくて、スエコザサを母種と隔てる特徴自体が非常に薄弱なよう(あんまりよくわかっていなくて書いているのでごめんなさい)。ササ・タケ類について特化したブログを書いている方によれば、そもそも変種とすること自体懐疑的であるとも。
ドラマはウソだけれども、お話として糟糠の妻の死に際し献名したというのはクライマックスだとは思うけれど、何の断りもせず「ササ・スエコアナ・マキノ」と言いっぱなしなのはよくない。
それは間違った知識になってしまうから。そういうの、牧野さんはすごく嫌ってたみたいよ。知らんけど。

本も読み終わったので「らんまん」はこれでおしまい。
むしろ「あまロス」が・・・


またサクラタデのところに行ってきたんです。