差別に投票しない

投稿者: | 2025年7月15日

女という属性。
子を産まなかったという属性。
機能不全家庭育ちという属性。
病弱という属性。
そして今、高齢者にならんとしている年齢であるという属性。
私という人間は、あの参政党には「日本人」の枠外に切り分けられる者なのだろう。
(それ以前に私は左翼なので彼らはきっと「中国人」とか「帰化人」とかののしってくるに違いない。念のため書いておくけれど由緒正しき日本の庶民なのだが)
私は物心ついてからずっと、差別と貧困と戦争のない世界を実現したいと思って生きてきた。
自民党も公明党も維新も国民民主も保守党もN国も(立憲の一部も)私の理想の実現を阻む者たちだから決して投票はしないが、何より参政党はあり得ない。

6年前、すでに常時酸素吸入が必要だった母は、父にせがんで投票所まで連れて行ってもらい、共産党に投票した。
死にゆく身であっても、たった1票であっても、自公政治の歯止めになるところに投票することが、自分が子や孫にできる最低限度のことだと考えてのことだった。死の2週間前だった。

母は思いもしなかったろう。それから3年後に安倍晋三が撃たれて死ぬこと。けれど、安倍晋三が法治国家を骨抜きにしてしまったので巨悪が暴かれても政治が変わらず、それどころか政治家が平然と人権を無視しヘイトをまき散らすような国になってしまうこと。
母は、まだ若いころ、「自分が生きているうちには無理でも、お前が年を取るころには、世の中がもっと暮らしやすく、差別も貧しさもない日本になっていたらいい、と思ってがんばっている」と言っていた。
その生き方を母は死の間際にまた見せてくれたのに、2025年はこんなざまで、私は母の若いころよりも多分、ひどくみじめな人生の終幕を迎えそうだ。
今さら、できることは少ないのはわかっている。手遅れなんだろう。
でもせめて、「差別に投票しない」ということだけは言いたい。
参政党に議席を与えてはならない。