今日図書館に返しに行く本。
屍の街 大田洋子 +++
原爆が消した廣島 田邊雅章 +++
墜落遺体 飯塚訓 ++
オスは生きてるムダなのか 池田清彦 +++++
これはすごく面白かった。蝶の半身が♀半身が♂のものがどうしてできるとか、カメが温度で性別が変わるのがどういうしくみかなど知りたかったことが書かれてあったし、何より、生物が不死と引き換えに性(DNAの修復)と生き残るための多様性を手に入れたという考え方はとても新鮮だった。
性というものの形はそれ自体には意味がなく性別もあやふやなものであるという真実は、反ジェンダーに縛られたりセクシャルマイノリティーを認めないバカ頭にぜひ知ってもらいたいところだけど、バカだからわかんないだろー。
夜行観覧車 ++++
「告白」がイヤな小説だったのでどうかと思って読み出して、出てくる人たちはみんな気分悪いヤツらばかりでどうなることかと思ったけど、終わり方はそんなに意地が悪い感じではなかった。
登場人物が弱い人間・ダメな人間であってもその言動を支持できるような人物像を求めてしまうと、この作者の場合はダメなのだと思う。
イヤな人たちだなぁと思いながら読み進められるのは、イヤなヤツが相応の末路をたどるのを期待するのか、イヤなヤツにちょっとはマシになってほしいのか。
結局、登場人物たちは、そこそこ「ギャフン」と言い、そこそこマシになった。
まとまった終わり方になっているけれどもちょっと安易な気もする。