つかわないことば

投稿者: | 2015年2月9日

犬が最初に下痢した次の日に当麻寺の奥の院に行ったことはここに以前書いた。

NHKの朝のニュースで紅葉の名所と紹介されたからか、またまた日曜日だったからかすごく混んでいて、落ち着いて紅葉を楽しめなかった。まるでぞろぞろと行列のように順路をめぐっていたのだが、後ろから女性の、癇にさわる声がする。
「え~かわいいぃ~~」という同じセリフを甲高い声で連発するのだ。
いったい何をかわいいと言っているのだろう、何かかわいいものがあっただろうか、そういう貧困な形容は幾つ位の女が使っているものなのかと疑問があふれてきたのでふり返ってみたら・・・私と同じような年配の、私と違いちゃんと年相応に装った女性だった。もみじを見て、「かわいいぃ~~」と言っているのだ。なんじゃこりゃ。
もみじを見て、「かわいい」という形容詞を使うことの違和感はないのか。
写真を撮りたかったので、「かわいい女史」をやり過ごして留まったのだけれど、歩いていく先々でやはり「かわいいぃ~~」を連発していた。

最近、「ストロングゼロ」とかいうチューハイのCMで、俳優の西島秀俊が「女子は何でもかんでもかわいいと言う。じゃあ俺はなんでもかんでもストロングと言おう」と言ってるのを聞いて、私は「あ、それそれ知ってる!」とテレビを指差して叫んでしまった。リアルに女子と話をする機会のない私にはなかなかリアル女子の生態はわからないからこれは稀有な事例だ。

最近、ネット上のとあるところで人のコメントを読む機会が多いのだけれど、そこで接する機会が多い単語が「癒される」だ。
これは女子が多用するのが目立つが男子もままある。
この言葉にも私は非常に違和感を覚える。「癒される」ということは彼女等彼等はいつも傷ついているということなのだよな。「幸せの国」「人生の半分しかない場所」と言われるところなのに、みな実はとても傷ついていてとても癒されたがっている。ずいぶんと欺瞞に満ちた話じゃないか。

そんななので、私は「癒される」は絶対に使わないようにしようと心がけている。他の言葉で置き換えられるのであればそのように。
ただ、「かわいい」は状況に応じて使っている。実際「かわいい」でしか表現できないことは多い。それに「かわいい」を使うことで受容してもらえる女子コミュニティというものも確かにあるので、戦略的に用いている。
スレっからしだなぁ、私は。


大和郡山の椿寿庵で見た、「佐渡やぶ」という椿。