田口ランディという人の、「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ ─原子力を受け入れた日本」という本を図書館の終戦70年特設コーナーで見つけて借りてきたのだが、昨夜読んだらいろいろ腹が立って眠れなかった。
ひとつに、ヒロシマに原爆が落ちた時の描写。この人は作家だそうだから、文学的に表現したかったのだと思うが、酔いしれているかのようななまめかしく美しい書き様に激しく違和感を持った。
それから、戦後の日本の反核運動への言及が、おそらく特定の(巻末の参考資料を見るとただひとりの著者の書いたものだけの)思想からだけの、非常にバイアスのかかったもので、自己保身のための中立・中庸であることを何より熱心に主張しているように思えた。
何より腹が立ったのは、核兵器廃絶は不可能だと書いていることだ。一度持った技術を人間は手放さないのだというのがその根拠らしいが、たとえ、これまでの過去の歴史上がそうでも、未来をそれで規定してしまえるのだろうか。人間はマヌケだから、自らを滅ぼすようなことをするかもしれない。でも、核技術と生命が相容れないことを理解して全人類がそれを成し遂げようと力を合わせることもあるかもしれない。人間をそんなに見限って軽んじていいわけがない。まして小説家たるものが。
その他にも、社会科学用語を明らかに誤用しているところとか(わざと?)大変読み苦しいものだった。
アメリカが、原爆を使用したことに恐れと恥を持っていることが逆に、アメリカの愛国主義の苗床になっている、という考え方にはうなづくものもあったが、それならば、今この国で育ちつつある、慰安婦も南京事件も認めない反知性的な愛国主義も全く同じではないか?思考停止に陥らず、対話を続けなければならないと彼女は誰に向かって言っているのだ?
ネット上の感想を拾ってみると、この著書は一定の評価を得ているようだ。「反核運動が社会主義勢力に利用された」などというような誤った認識がさらに拡がるとしたら有害極まりない。
今日は犬の医者に行ってきた。朝のンコはちゃんと固まっていたので薬などもそのまま。
血液検査をしたら、前回同様、肝臓の数値はこれまでのことがウソのように全くの正常値。でも、腎臓関係が悪かった。クレアチニンが1.9。正常値が1.4なのでちょっと高い。次回は尿検査をしてもらうことにした。
アイロンかけがこの頃苦痛で(これ、ウツの指標かも)とりあえずの分しかアイロンかけないでいたけれど、今日は朝から夫のワイシャツ全部アイロンかけした。ヨシヨシ。