土日と夫の連休になったので、かねてから懸案だった母のケータイの機種変のために実家に行った。
実家のある市にはこの間までキャリアショップがあったのにもうなくて、車で30分かかる隣の隣の市までいかないとならない。土日はショップは混むと思われたので1番乗りで。
機種変は簡単に済んでその後コメダ珈琲店でギリギリのモーニングを昼食代わりにして母を買い物に連れて行って実家に戻り、新機種の充電の後、母を特訓した。
同じシニア向け機種とは言え以前のものと微妙に違うし、何せ母の頭の方もすっかりロートルなもので飲み込むのに時間がかかったが、実家に泊まり翌日も何度か電話やSMSをやりとりできたのでこれで良し!と日曜の夕飯(例によって午後2時前に食べるのだが)の支度をしてから帰宅した。
翌朝(つまり月曜日の朝)、さて、母はSMSを送ってこられるだろうか、と待っていたところ、電話がかかってきた。「『今日』と入れようとすると「か」になって、何度押しても「か」しかかけなくて「かかかかか・・・」ってなるの」
?????
前日はちゃんと入力できていたのに??
私もスマホ持ちになって、入力の違いに戸惑った。
フリック入力というのは知っていたので最初はそれで入力していたのだけれど、今までと同じケータイ打ちもできるとわかったので結局そちらで打っているのだが、ちょっと指先の連打を外してしまったりすると意図した段の文字を出せず同じ行の文字が2つ並ぶことになってしまう。例えば「え」と入れたいのに「う・あ」などと。
今までのケータイになかった「自動カーソル移動」という機能によるものだった。
どうも母の新しいケータイにもその機能がついているらしい。そして多分何か意図せずに母がしたことでその「自動カーソル移動」が最速のモードになっているのじゃないか、と推測した。
動作が遅いので「き」と入力したいのに連打できず「かか」になってしまうのだ。
「電話の仕方はわかるからメールはできなくてもいい」と母は言ったが、これはいかんと思い、この日はほかにも用事がいろいろあって忙しかったけれど即実家に行くことにした。電車に乗れるタイミングではなかったのでバイクで。
山麓線は4℃。歯の根が合いません(笑)。
この頃、母はできなくなることが増えていて、それは骨折によるロコモのためで仕方がないのだけれど、「できない」という思いが不安や劣等感をこちらの想像以上に母に与えていて、日々生きるチカラを母からそいでいた。
歩けないから何もできない、どこにも行けない、という思い込みをどうにかしたくて、シルバーカーを注文したのだが、シルバーカーを用いて歩くことが思いのほか母に活力を与えたようで、電話で話すたびに「もう死んだほうがいい」と聞かされるばかりだったのが、「明日は買い物に行って〇〇を作ろう」というような前向きな言葉が多くなってきたところだったのだ。
せっかくいい方に向いてきたのにまた母に「できない」が増えては困る。それもケータイのほんのささやかな新機能のせいで。
だから何をおいても行く必要があった。
出かける前にネットでトリセツを見ておいたので「自動カーソル移動」を「なし」に設定して、母にまたSMSを入力してもらった。
何度かやり取りするうちに母は「〇子(母の名前)はばかだね」とSMSを寄越してきた。
「かしこいよ。ボチボチやろうね」と返事した。
老いは切ないものだなぁ。
なんとか大丈夫そうだったので1時間ほど実家にいてすぐにまたバイクで戻る。体が温まっていないのですぐに歯がガチガチ。いままでバイクで実家に行った中で一番冷えたんじゃないだろうか。
花屋さんでお彼岸の供花を買い、郵便局で甥の入学祝を書留で送って、家に帰ってすぐに風呂を沸かし入ったけれどやっぱり寒すぎたのか昨日は朝から発熱。今朝もまだ微熱だったけれど何とか熱は下がった。
昨日、熱でぐだぐだしていてふと左手首をさわるとガングリオンが消えていた。いつのまに?